メディアでは、新鮮な朝獲れの魚の話を取り上げていますが、環境の変化により、漁獲高は減少傾向です。
その原因は色々ありますが、魚の産卵場所や拠り所である『藻場』の減少は江ノ島周りでも起きています。
水産多面的機能発揮対策の活動項目として、この藻場の減少を防ぐ為にEFPでは、カジメ藻場とワカメ藻場を増やす活動を行っています。
藻場を増やす為に、色々な事をしています。
①種苗の生産
江の島産のワカメを種から作る。
②母藻の設置・種苗投入
ワカメのメカブの付いたロープを海底に設置
カジメの胞子の付いたネットや石を海底に設置
③食害生物の除去
ウニや海藻を食べてしまう魚の駆除
中々思う通りには進みませんが、頑張って藻場を増やしています。
2020年度の藻場保全活動はコロナ禍でのスタートでした。
例年より遅れた全域モニタリングは測定値は今一でしたが、ワカメ藻場
は良い状態でした。一方カジメ藻場は、新しい藻場を見つけたのもつかの間あっと言う間に全滅してしまいました。
活動風景を動画にまとめました。ご覧ください<m(__)m>
2019年藻場保全活動開始致しました。
今年はワカメの種作りからスタート!初めての試みです。
ワカメ藻場は成功しつつあります。江の島周りの岸壁にもかなりワカメが見えています。
そこから、メカブを集めて陰干しします。ここからワカメの遊走子(種)を出します。
カジメと同じ要領でチャレンジ!です。成功したら、江の島産ワカメの種ができます!
ワカメの種は、ネットやしゅろ糸に付着させて、日光が入らない袋に入れて
11月位まで、海の中で休眠させます。
時化で流れちゃうと、悲しいので港の中や、新江ノ島水族館にも預かってもらう事にしました。
新江ノ島水族館さん、強い味方です!ワカメの胞子は、夏に弱いのですが、固い殻の様な物に覆われて夏をやり過ごします。と言っても、顕微鏡で無いと見れない世界のお話です。無事に夏を越してほしいですね~
モニタリングは1m四方の枠の中に、どれだけ海藻があるかなどで、被度を出します。
数字は予め決めているポイント№です。今年から活動範囲を広げて全部で10か所のポイントを観察していきます。
その中で、状況の良い場所を特定していきます。ワカメの種袋も海底に設置しました。昨年設置したカジメ石にもカジメの赤ちゃん付いてます!
5月の海底はまだまだワカメが沢山います。水温が高くなるとワカメは居なくなってカジメが成長していきます。
今年最初のモニタリングは成績が良いです。良い年になるかなぁ~
なんと!!!!苦節4年!!!!嬉しい状況です。
カジメが成長しています。20㎝位はなっていますね~
この季節はワカメがなくなって、カジメだけが目についてきます。
ここからは、お魚に食べられない様にネットを掛けたり
ウニをつぶしたりとか、食害対策ですね。ワカメの種袋も健在です。
2019年は9月と10月に大型台風が来ました。
多くの被害がでた台風でした。江の島も色々な被害がありました。
もちろん、海の中も無事ではありませんでした…今年はあんなに良く育っていたのに、残念と言うか、悲しい限りです。
9月の台風後は、カジメが確認できました。しかし10月の台風で全てがなくなりました。
今までモニタリングしていた所は、地形が変わる位の状況です。砂利や砂で海底が覆われた様になってしまっています。ワカメの袋も無くなってしまいました。
2020年2月14日のモニタリングで小さな小さなカジメが確認できました!
1月のモニタリングでも全く確認できなかったので、全滅したかと思っていましたが、小さい芽がいくつか
いてくれました!海水の温度が17度ぐらいにに下がらないと発芽してくれないようです。
少し希望が持てましたね。これからはこの小さなカジメ君を魚に食べられない様に守っていかなくては!